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夜の闇が深まる季節に、心の内側にあたたかな火を灯す新月

本日、新月を迎えました。夜の時間がだんだんと長くなる頃です。暗くなるのが早くなってきて、「だいぶ日が短くなったなぁ。」なんてつい口にして少し物悲しい気持ちになったり。「今年もあとちょっとで終わってしまうなぁ」なんてしみじみとしたり。感傷的な気分が湧いてくるのもこの時期ならではですよね。暦の上では秋分も過ぎ、冬至に向けて夜の闇が深まるこの時期は内省へと向かうほうが自然なことだと思います。内省といっても、考えすぎることではなくて、自分の中にある「内なる自分」とつながること、を意識して過ごしてみるのはどうでしょうか。ひとりの時間をもち、ホッとリラックスしたり、自分の中にある感性や感情を気持ちよく動かしてあげることをすると、「内なる自分」が喜び、それが明日への活力にもつながっていくような気がします。以前、『月と暮らす10の方法』という冊子をご紹介したときにも触れましたが、夜の時間=月の時間、でもあります。太陽が私たちの日中の活動(仕事、家事、子育てや介護など)や社会的な自分を司っているとしたら、月は反対で、そういった肩書や役割から一歩離れた「ありのままの自分」、「素の自分」でいること、内なる自然とつながり、心から安心している状態のこと。せっかくの秋の夜長ですから、こうした静かで心地よい時間を日々の生活の中で少しでもとれるようなアクションを自分で起こしたいものです。その人に合ったやり方があると思います。香りで気分を整えたり、好きな本や映画に没頭したり…。気の向くままに、自分が喜ぶことを実験感覚で試してみる。今月はベッドサイドのお供に、短編集『月とコーヒー』(吉田篤弘著/・徳間書店刊・1,980円)をご紹介させていただきます。夜のリラックスタイムにぴったりな頭をゆるりと解きほぐしてくれるような一冊。一日一編、眠る前にいかがでしょうか。  喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。 映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。 トランプから抜け出してきたジョーカー。 三人の年老いた泥棒。空から落ちてきた天使──。24編の短編からなる本書は、どれも日常からは少しかけ離れた一風変わった登場人物やストーリーばかりで、ひとつひとつが全然異なる世界に自然と引き込まれてしまいます。けれど、日常では味わえないようなその「ちょっと非現実な物語」が、忙しくぐるぐるしている戦闘モードな頭を箒でさっさと掃いて、空っぽにしてくれるような独特の余韻を残すのです。お話自体は5〜10分もあれば読み終わるほど短いので、どんなに疲れていても、気持ちの負担を感じることなく読み進められるのも嬉しいところ。短い時間でも読んだあとには「ぷは〜〜」と脱力している自分がきっといるはず。普段あまり本を読まない、活字が苦手、という方にもおすすめです。ブックデザイナーでもある吉田篤弘さんが手がける装丁、挿絵もよく、手のひらにおさまるサイズ感や夜をイメージさせる黒いカバー、月のイラストが本を開く楽しみを増幅させてくれますよ。読書の秋の一冊に、ぜひお手元に。【west mountain booksプロフィール】「私やあなたが本来の自分に戻るための知恵やヒント、きっかけ」となるような、からだやこころ、自然にまつわる本をセレクトしています。2020年まで7年間下北沢・本屋B&Bの書店スタッフとして勤務し、くらし・からだ・旅・食・日本文化にまつわる棚やイベント企画を担当。並行して2020年より個人の屋号としてwest mountain booksをスタートし、現在は長野県上田市を拠点にオンラインショップ、イベント出店をメインに活動しています。2021年初冬に「面影 book&craft」という実店舗をオープン予定。情報はインスタグラムをメインに発信中。Instagram @westmountainbooksオンラインショップ https://westmountainbooks.stores.jp/※今回ご紹介した『月とコーヒー』は、現在オンラインショップでも販売中です。Photo by kensuke iwai

困難な時代の中で、やわらかく温かい希望の光を内側に灯す新月

本日、おとめ座の新月を迎えました。9月になってスイッチが切り替わったように急に秋らしくなってきましたね。涼しくなって体が楽になったけれど、夏の疲れも出やすい時期かもしれません。夏を乗り切った自分の体と心をいつも以上に優しくいたわりたいものです。そんな今月はホッと優しい気持ちになれる本のご紹介です。『キスの練習をしています また会える日のために』(工藤あゆみ著/・青幻舎刊・1,980円)。工藤あゆみさんは、イタリアの美術大学を卒業し、ボローニャ国際絵本原画展に入賞するなど、ヨーロッパを拠点に活動をするイタリア在住のアーティストです。本作は、2020年3月10日、イタリア全土に”IO RESTO A CASA(私は家にいる)政策が施行されたその日からはじまり、ロックダウン下での心情の変化を言葉と絵で綴った日記のような一冊。 今日も誰にも会わなかった。だけど誰かの気配を感じていた。 (―29Pより引用)たくさんの人がインターネットの海を泳ぐ。ある人は深く深く徹底的に潜る。ある人は波に従って進み(世間の動向に従い)、ある人は波にもてあそばれる。息継ぎを忘れないで。空や太陽や風を忘れないで。傍らの声に耳を傾けることを忘れないでね。 (―52Pより引用)   まだ新型ウイルスの正体も判然としない頃、多くの感染者・死者を出したイタリアで暮らしていた工藤さんは、先の見えない不安を抱えながらも、その不安もさみしさも希望もあらゆる感情をありのまま描き、その心の揺らぎが伝わってきます。それは、あのとき誰の内側にも抱えていたもの(もちろん今でも)。   不安、楽観、心細さ、鼓舞…君が感じるあらゆる感情を打ち消す必要はない。 (―24Pより引用)   そういった感情も抱きしめながら、希望の光を灯すような言葉と温かく優しい色使い、ホッとするような愛くるしいキャラクター。前作の『はかれないものをはかる』もそうでしたが、工藤さんの作品はとても優しく、読むとからだとこころがゆるむと同時に、自分自身と対話させてくれるような気持ちが自然と湧いてきます。それはきっと、工藤さんの純粋な人柄がそのまま表現されているから。作品をとおして伝わってくる温かなエネルギーがこの世界中に循環していったらどんなにいいだろう。先の見えない状況の中で無意識に体が緊張していたり、呼吸が浅くなっていたり、ストレスが溜まっていたり、はたまた楽しいこともあれば、嬉しいこともある―そんな自分の今の状態をまずは気づいてあげること。悲しいときは悲しい。嬉しいときは嬉しい。工藤さんの本を読んでいると、そんな嘘偽りのない自分の本心が浮かび上がってくるようです。まさに心を整え、前向きな気持ちにしてくれる一冊。いつでも、自分のこころの距離がはかれるように。そっと寄り添い、ほっとゆるませてくれる素敵な作品集です。大切な人への贈り物にもぴったりですよ。ぜひお手にとって、言葉と絵を味わってみてください。   【west mountain booksプロフィール】「私やあなたが本来の自分に戻るための知恵やヒント、きっかけ」となるような、からだやこころ、自然にまつわる本をセレクトしています。2020年まで7年間下北沢・本屋B&Bの書店スタッフとして勤務し、くらし・からだ・旅・食・日本文化にまつわる棚やイベント企画を担当。並行して2020年より個人の屋号としてwest mountain booksをスタートし、現在は長野県上田市を拠点にオンラインショップ、イベント出店をメインに活動しています。 2021年初冬に「面影 book&craft」という実店舗をオープン予定。情報はインスタグラムをメインに発信中。 Instagram @westmountainbooksオンラインショップ https://westmountainbooks.stores.jp/ ※今回ご紹介した『キスの練習をしています また会える日のために』は、現在オンラインショップでも販売中です。 Photo by kensuke iwai

13歳の私に戻って、記憶の欠片を拾ってみる新月

はじめまして。west mountain booksの岩井友美と申します。 今年から『New Moon Detox』のコールドプレスジュースと共に、月のリズムを意識したり、ご自身の内面や自然とのつながりを思い出すようなお手伝いができればと思い、月替りで本を一冊ご紹介させていただくことになりました。本来の自分と出会うヒントやきっかけとなるような本を、からだやこころ、自然にまつわるジャンルから中心にセレクトしていきたいと思っています。 毎月新月にコールドプレスジュースで美味しく楽しく体をリセットしながら、普段は置いてけぼりにしがちな私の「心の声」に気づいてあげられるタイミングにもなれば幸いです。100%以上の毎日を送る日々に、句読点を。本や言葉の力で、ほっとひと息の時間ができますように。今月ご紹介する本は、詩人・三角みづ紀さんによる詩集『どこにでもあるケーキ』(ナナロク社刊・1,870円税込)です。本書は、三角さんご自身の13歳の頃の記憶を描く33篇の書き下ろし詩集。5分あれば1篇読めますので、読書をする習慣がない方でも、詩集が初めてな方でも、ちょっとした隙間時間に空白を作って、ぜひ読んでみていただきたい一冊です。カバンに入れやすい小さめなサイズで、塩川いづみさんによる挿絵と鈴木千佳子さんによるピンクで施された装丁がとても可愛く、持っているだけで気持ちがあがるのも嬉しいポイント。私たちが社会人になる前、酸いも甘いも経験する前、そして大人になる前…、13歳といえば、中学校にあがって身体も心も、周囲の人との関係性も少しずつ複雑に成長を重ねる頃ではなかったでしょうか。わたしの背中には羽があるなのに使い方がわからない教室で規則正しく まっすぐ座っている皆の背中にも きっと羽があっておなじく使い方がわからないのだ —「屋上の動物園」(69P)より引用たゆみなく生きる練習をしているやすみなく成熟する稽古をしているわたしたちは しだいに演じることに慣れていく —「湖の生活」(40P)より引用—教室、制服のスカート、音楽室のピアノ、塩素の匂いのするプール…、学校生活を思い出す固有名詞の数々と三角さんの記憶から紡ぎ出される言葉から、自分自身が体験した13歳の頃の記憶や感情が自然と浮かび上がってきます。懐かしさか、苦々しさか、切なさか…、それらの感情は読む人それぞれにしか味わうことができない唯一無二のもの。この詩集は、読みながら私たち自身がまだ磨かれていく前の、原石の頃の自分と出会い直しができるような読書体験が味わえるのです。ちなみに私は、仄暗い湖に佇むようなちょっと暗い気持ちになりました(笑)。ちょうど自分の繊細さを扱いきれなくてもがいていた時期と重なったからかもしれません。でも、大人になった今ではその感情をちゃんと受け止めることができる。そんな素のわたしを思い出す脳内ショートトリップ。新月の夜に、コールドプレスジュースをゆっくり飲みながら、じっくりと記憶や感情をひらいてみませんか。【west mountain booksプロフィール】「私やあなたが本来の自分に戻るための知恵やヒント、きっかけ」となるような、からだやこころ、自然にまつわる本をセレクトしています。2020年まで7年間下北沢・本屋B&Bの書店スタッフとして勤務し、くらし・からだ・旅・食・日本文化にまつわる棚やイベント企画を担当。並行して2020年より個人の屋号としてwest mountain booksをスタートし、現在は店舗をもたずオンラインショップ、イベント出店をメインに活動しています。情報はインスタグラムをメインに発信中。 Instagram @westmountainbooksオンラインショップ https://westmountainbooks.stores.jp/ ※今回ご紹介した『どこにでもあるケーキ』はオンラインショップでも販売中です。 photo by @kensuke.iwai